December 7〜11th, 2000 
(3泊5日)




ハワイから帰国して1ケ月余り過ぎた頃、悲しい知らせが届いた。

カウアイのパパが亡くなったという。 あまりに突然なことで信じられない。

この間、確かに体格の良いパパが痩せていたのを見て心配はしていた。

でも、帰る時「また、来年も帰っておいで。」と抱きしめてくれて、私もまた会えると信じていた。 

癌はかなり進行していたらしいが、それが直接の原因ではなかった。

入院して3日後に、付き添いのママが自宅に戻ったほんの数時間の出来事。

トイレの中で倒れたそうだ。 ママは自分のせいだと責める。

すぐにでも駆けつけたい。 せめてお葬式だけでも出たい。

でも、子供がまだ小さい私には難しい状況でした。

もっと近くだったら良かったのに。 独身だったら良かったのに。

パパのことを思い出しただけで、ママの気持ちを思うだけで、涙が出てくる。

ママに何度も電話を入れた。 慰めるはずが一緒に泣いてしまう。

すっきりしない思いのまま日にちだけが過ぎていく。 でも、こんな気持ちのまま新年を迎えるなんてできない。

一日でもいいから行かせて欲しいと懇願した私を、夫は許さないわけにはいかなかったようです。

子供が休まなくても良い様に日程を考慮し、実家の母に甘えて預けることにした。

勿論、夫にも協力してもらうことになった。

航空券はマイルが貯まっていたNWを利用すれば良い。 

せっかくだからビジネスクラスを希望したが、マイレージ分の空きがなくエコノミーとなる。

オフシーズンなので35000マイル。 しかもリフェまででも同じマイル数だった。

予約を入れたのはすでに出発の一週間前だった。

アコモは「家に泊まったらいいからね。」というママの言葉に甘えることにした。

たった3泊。 それでも5日かかる。 時差なんてなければ良いのに。

でも、行かせてもらえるだけでも幸せだと思いました。



 Day 1


出発当日は娘の幼稚園の発表会。 しかも私は役が当たっている。

前日までにパッキングは済ませておいた。 子供達を置いて出掛けるとなるとあれこれと大変。

一日のスケジュールを書いて、お着替えも全て用意しないといけないし・・・。 母親って大変。

今回のハワイ行きは子供達には内緒。

言えば、一緒に行きたいと言うもの。 そんな訳で親しい友人にも言っていない。

これを見て驚いた人もいるかもね。 ごめんなさい。

JR京都駅15:18発の関空行き特急「はるか」に滑り込みセーフ。

バタバタと慌しく出て来たけど「はるか」に乗ってからは、なんだか夢見心地。

こうして一人でハワイに行けることが、信じられない気がした。

NW 16便は定刻の18:55、ほぼ満席で関空を飛び立った。

子供がいないので食事もゆっくり頂けた。

ぐっすり眠れるかと思ったが、やはりダメ。 どうも乗り物では眠れない性質らしい。 

ホノルルに到着後、ハワイアン航空にチェックインして荷物を預けた私はバスでアラモアナに向かう。

そう、せっかくだものホノルルでお買い物を楽しむ時間をちゃっかり取ったんです。

空港から"The Bus"に乗るのは10年ぶり。

 通勤ラッシュと重なったが、S.C開店までの時間潰しにはちょうど良かった。

ダウンタウンあたりで、シャワーのような雨。 すぐ後に虹が出た。

ダブルレインボー。 "Happy Rainbow"です!

クリスマス前の街は至る所でデコレーションされている。 

夜はイルミネーションが綺麗だろうなあと思いつつバスの窓から眺めていた。

オフシ−ズンとはいえ、ホノルルマラソンを控えていたのか結構人が多い。

ショッピングを楽しんでから、ランチはニーマン・マーカスの”マリポサ”へ。

前から一度行ってみたかったけど、なかなかチャンスがなかった。

一人では勇気が要ったけど、買い物途中だと思うマダムが一人で来られていて安心した。

本日のお魚料理スナッパーのソテーはなかなか美味しかった。

人気のシュー皮に似たパンは、 パイナップルバターを付けて頂きます。

テラスからは目の前に広がる海。 ホノルル空港から飛び発つ飛行機も見える。

お洒落な雰囲気の中で楽しんだランチタイム。 今度は家族で来たいな。

食後はワードウェアハウスで定番の"Coffee Works"でバニラマックを買い込み”エグゼクティブ・シェフ”でキッチン用品のチェック。

夏のうっぷんを晴らすかのように買い物を堪能して、バスで空港に向かった。

18:28発のリフェ行きを待っていると、ちょうどサンセットの時間。

空港で見るのは初めてだけど、 何処で見てもハワイのサンセットは綺麗。

リフェに着いた時、すでにあたりはもう真っ暗だった。

荷物をピックアップすると、ママが迎えに来てくれていた。

「よく来てくれたわね。本当に来てくれると思わなかったわ。」「私も来られると思わなかった。」

でも、涙のご対面と思いきや、意外にもママは淡々としていた。

1週間前にテキサスから来ている孫娘と曾孫の世話で、泣いている暇などないらしい。

良い気晴らしになっているようです。

家に着くと、孫娘のサンジャ(Khysynja)が、生後3ヶ月足らずのカレオ(Kaleo)を抱いて出迎えてくれた。

初めて会った時高校生だったサンジャが、素適なママになっているのを見て、時の流れを感じました。

カレオは「話す」という意味のハワイアンネーム。

彼のパパがイタリア人の血が入っているので、ジョバンニというイタリアンネームも持っている。

色白でとてもハンサムボーイ。 パパは初曾孫が生まれるのをとても楽しみにしていたのに、顔を見ることができなかった。

カレオが生まれた時、男の子だったので、「グランパの生まれ変わりだね。」と皆で話したそうだ。

夕食は友達も交えて、パパの思い出話に花を咲かせた。 私とパパやママとの劇的とも言える出会いは、

また次の機会にお話しましょう。

気が付けば12時を過ぎている。 そろそろ今夜はお開きです。

私のベッドルームは17年前、4ヶ月間お世話になった思い出の部屋である。

ベッドが新しくなった以外は当時のままだった。 とても懐かしい。

結婚してからは、ホテルやコンドを利用するようになったので、実に10年ぶり。

このゲストルームにはバスルームは勿論、小さなキッチンも付いていて、冷蔵庫には私のためにビールが冷やされていた。

飛行機の中でほとんど寝ていない私は、ベッドに入るとすぐに眠りについた。



Day 2


「もう、起きてる〜?」ママの声で目が覚めたのはすでに8時前だった。

朝食を頂いてからパパのお墓参りに出掛けた。 "Kauai Cemetery"は、車で5分足らずと近い。

街中なのにとても閑静な場所。 

大きなフレームツリーの木が3本立っているが、そのうちの1本がパパのお墓にちょうど陰を作っている。

「これなら暑くなくて良いネ。」と話しながら、庭に咲いていたワイルドジンジャーを数本飾った。

どのお墓もみんなカラフルなお花が飾られている。

日本の墓地の陰気な雰囲気など全くない。 プレートにはパパの名前と"Sony"(息子と言うニックネーム)が書かれていた。

ニックネームも書かれているなんて、いかにもハワイらしくて良いな。

目を瞑って手を合わせると、風に乗ってパパの声が聞こえてきたような気がした。

私の頬には涙が流れていました。

お墓参りに来られて本当に良かった。 これで、気分がスッキリ。

午後、食事を済ませると「ビーチにでも行って来なさいよ。」とママが言う。

「今回ビーチには行けないだろうな。」と思いながら、出発前スーツケースに水着を入れるか悩んだ末、

たいした荷物にならないと入れてきて正解。

サーフィンが好きな友達と大好きなPakalaに行った。 ここは地元のサーファーに人気のビーチです。

車を停めて、林の中を5分ほど歩く。

車が一台も停まっていないのを見て、今日はあまり波が良くないのが分かったけど、とりあえず行ってみた。

誰もいない。 まるでプライベートビーチじゃない。

小さいけど波はある。 私はビーチでボーッとしていた。

珊瑚のかけらで”KAUA'I"の文字を作ったりして遊んだ。







夕方、ハナペペでリリコイ・シフォン・パイを食べてから、吊り橋で遊んだ。

帰り道、"KAUAI Coffee"のビジターセンターに立ち寄り、コーヒーを買った。

ハワイのコーヒーといえば、コナコーヒーが有名で、生産量はカウアイコーヒーの方が多いということを

知らない人も多いのではないかと思う。

 この時期はブルーマウンテンの豆を手に入れることもできる。

ママの家に戻った時は、もう日が暮れていた。

夕食は一緒に餃子を作って食べた。 皮はママのリクエストの定番で、日本で買ってきた物。

多分、カウアイ一美味しい餃子ができたと思う。



Day 3


明日はもう帰る日。 来られただけでも幸せとは思うけど、3泊はあっという間。

今日はママがボランティアに出掛けるので、一人でお買い物に行った。

カウアイ一大きなククイ・グローブS.Cまで車ですぐ。

小さいけどリバティハウスもあるし、ロングスやシアーズもある。

クリスマス用のイルミネーションライトが欲しかったのでロングスに行った。

今、アメリカでは”アイシクルライト”というつららのようなライトが流行っている。

日本でもこの冬出始めたが、3倍くらいの値段。

お買い物を済ませて車に戻ると、傍にいた人がタイヤがパンクしていることを教えてくれた。

え〜っ? なんていうこと〜。 このままでは帰れないよ。

すぐにシアーズに走ったけど、修理には2時間くらいかかると言う。

とりあえず、ママに電話をしたら、パンクはいつものとこなら無料でやってくれるし、すぐに迎えに行くからと言われた。

パンクも初めての経験。 いつ?どこで?

結局分からずじまい。 午後からは初めてヘリ・ツアーに参加する予定だった。

度胸の良い私もヘリコプターは苦手。 落ちるんじゃないかと思ってしまう。

でも、「ヘリに乗らないとカウアイは語れないよ。」と友達に言われ続けていた。

今回、その友達が同乗してくれると言うことで、覚悟を決めたのに、友達が急に仕事が入ったので、ドタキャン。

後で私達がキャンセルしたことで迷惑をこうむった人がいるかもしれない、と聞かされ反省することしきり。

ヘリ・ツアーは定員に満たなかったら催行できないらしい。

時間ができた私は、懲りもせずまたドライブに出掛けた。

夕食後、クリスマスイルミネーションを見に出掛けた。 ホノルルに比べると寂しい限りだけど、

競って飾り付けをしている家が数軒あって、名所となっています。

家に戻ると、友達も来ていた。 「寝なくてもいいじゃない。」と、最後の夜も賑やかに更けていった。



Day 4 & 5


帰る支度を済ませると、もう明け方近い。 ほとんど一睡もしていなかった。

6時過ぎにママにリフェ空港まで送ってもらった。 別れ際に「あなたのためにも長生きしなくちゃね。」とママがつぶやいた。

出発ロビーで搭乗時間を待っている時、とても綺麗なサンライズを見た。

停まっている飛行機の向こう側の海から昇る太陽。 なんだか元気がもらえる気がする。

サンセットを見る機会は多いけれど、こんなに綺麗なサンライズは夏のラニカイ・ビーチ以来かな・・・・。

7:15発のハワイアン航空はほぼ満席で離陸。

窓の下にカウアイを眺めながら、「また帰って来られますように!」と願った。

ホノルル空港に着いて、NWのカウンターでチェックイン。 荷物がないから楽。

帰りの便もビジネスクラスが空いていないか尋ねたが、満席。

エコノミーはガラガラだった。 初めて最後尾の66列に座る。 中ほどの4席には私一人だった。

食事の後は横になって眠った。

噂には聞いていたけど、揺れること。 やはり座席は前方に限る。

今日は私のバースデーです。 しばらくして日付変更線を通過して、世界一短い誕生日が終わった。

今年は誰にも「おめでとう!」って言ってもらえなかったわ。

14:30 定刻に関空に着いた。 最寄のJRの駅まで夫と子供達が出迎えてくれた。

出発する時は暖かかったけど、かなり冷え込む。 翌日は初雪を見た。

さて、これから慌しい年末に向かって頑張らなくちゃ。

こうして、10年ぶりの一人旅が終わった。 いつものリゾートとは違う、ハワイ。

私にとっては忘れられない3泊5日となった。

そして、改めて天国のパパに、「Mahalo!」



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